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揺らぐ神社本庁「田中体制」 
元職員との裁判巡り内部から批判 
(『選択』令和3年4月号) 

選択4月号
揺らぐ神社本庁「田中体制」
元職員との裁判巡り内部から批判

神社本庁で田中恆清総長への反発が広がりつつある。
本庁の所有する不動産売却を巡り、田中総長らの不正を告発した職員が解雇された問題で、元職員が地位確認などを求めた訴訟の判決が3月18日に出た。
元職員側の主張がほとんど認められ本庁は敗訴。メディアからの取材に本庁側は「判決を見ていないのでコメントしない」と回答したのだが、実は2月の本庁理事会では、「早くも控訴する方針を決定していた」(関係者)。
しかも通常、理事会を取材できる機関紙「神社新報」の記者が、控訴に関する議題になると締め出されたという。参加者によると、敗訴が決定的でなお控訴するという田中氏の方針に異論が出たといい、これらを記事にされたくなかったとみられる。さらに判決の翌日に開催された全国の神社庁の代表者が集まる会議でも、田中氏の対応について苦言を呈する参加者が出た。盤石とみられた田中体制も綻びが出始めている。