菅政権で沈む神道政治連盟-首相と連盟会長を助けた男
(週刊ダイヤモンド令和3年1月9日号)
週刊ダイヤモンドが、菅義偉首相と打田文博神政連会長を生んだ「ある男」に関する記事を掲載している。
「菅政権の誕生で、安倍政権時代以上に影響力が増すとされる創価学会とは対照的に、影が薄くなっているとされるのが神社本庁の政治団体、神道政治連盟だ。また、菅義偉首相と神政連の会長で神社界のドンといわれる打田文博氏が権力への階段を上り始めた裏に、ある1人の男の存在があったことはあまり知られていない・・・」
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『政界と神社界のトップを結ぶ神社界の財団法人の元理事』
その男とは、神社界の財団法人「国民精神研修財団(現日本文化興隆財団)」の理事を務めた故上野英夫氏だ。
菅氏が地盤も人脈もない中、脱サラして政治家を志したことは有名な話だが、上野氏は、菅首相が所属した法政大学空手部の2年先輩という縁で、「選挙戦における学閥の関係から、法政大出身の秘書を探していた故小此木彦三郎元通産相(神奈川県選出)に、菅氏を推薦した」(生前の上野氏の発言記録)という。事情に詳しい神社関係者は「上野氏は生前、菅氏(当時は官房長官)について、『予定がなければ呼べば飛んでくるし、差しで会うときは呼び捨てで呼ぶ間柄だ』と周囲に語っていた」と明かす。
一方、打田氏はその神職としての経歴を菅氏と同じく神奈川県にある寒川神社でスタートさせたが、その際に当時は企業経営者だった上野氏と知り合ったとされる。上野氏は「自分は打田氏のスポンサー的な存在で、彼の活動を支えてきた。後に途切れたが、30年来の付き合いがあった」(上野氏の発言記録)と語っている。
そんな1人の男を介してつながる政界と神社界のトップの2人だが、菅政権に対して神政連が存在感を示すことができるかどうかは、神のみぞ知るというところか。
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【参考】週刊文春 平成29年9月28日号 ワイド特集『神のみぞ知る』
打田文博氏のスポンサーだったというA氏は、週刊文春の記者にこう語っていた。
「今は途切れていますが、三十年来の付き合いがありました。彼は目上の人に取り入るのが非常にうまい。寒川神社時代の上司で、後に本庁トップとなる矢田部正巳氏に気に入られ軌を一にするように出世していった印象です。矢田部さんは『総長になってからも打田と毎日電話している』と語っていました。裏仕事もいとわず、彼に頼まれて前統理の伊豆の別荘売却に尽力したこともあります。」
「飲食や旅行の代金はいつも私が払っていました。『女の子のいる店に行きたい』と頼まれては赤坂の韓国パブや高級クラブによく行きましたね」