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『内部通報者を処分したら懲戒 役員ら対象、政府が指針』
(日本経済新聞 令和3年8月13日朝刊)

日本経済新聞R3.8.13
組織の自浄作用を妨害する行為は、それ自体が当該組織に対する背信行為だ。
内部通報した職員に解雇・減給等の処分を下した神社本庁総長にも、厳しい懲戒処分を!

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内部通報者を処分したら懲戒 役員ら対象、政府が指針
(2021年8月13日 日本経済新聞)
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政府は企業の不正を通報した人の保護を強化する具体策を記した指針をまとめた。通報した人に降格や減給といった処分をした役員や社員を懲戒処分にするよう企業に求める。2020年成立の改正公益通報者保護法に基づき、国が違反企業に指導・勧告し、従わなければ企業名を公表する。
改正法を踏まえ、指針で内部通報に関する運用策を規定する。消費者庁が8月中にも告示する。
最近は内部告発をきっかけに不祥事が明らかになる例も出ている。22年6月までの法施行に備え、企業に通報者を守る体制整備を促し、自浄能力を発揮しやすくする。
通報者を特定しようとする行為や、内部調査による「必要最低限の範囲」を超えた社内での情報共有も認めない。範囲の詳細は明示していない。
改正法は労働者が勤務先で不正を通報する行為を保護するために定めた。従業員が300人超の企業に通報窓口の設置を義務付けた。担当者に通報者の特定につながる情報の守秘義務も課し、違反すれば刑事罰として30万円以下の罰金を科す。
不正の目撃や証拠があるなど一定の信ぴょう性があったり生命・身体への危害のおそれがあったりする場合は行政機関や報道機関に通報する行動も保護対象となる。
米国には証券取引委員会(SEC)が法令違反の通報者に報奨金を支払う制度がある。日本は内部通報の体制が不十分との指摘が根強い。過去にはオリンパスで上司の行為を通報した人物が望まない部署に配置転換された問題が起きた。
森・浜田松本法律事務所の山内洋嗣弁護士は「社員の誰もが着任しうる窓口や調査の担当者にまで守秘義務が課せられ、役割の重みが増す。企業が内部通報制度への信頼性を高める努力も重要だ」と話す。

日本郵政、郵便局長7人に懲戒処分 内部通報者を恫喝:朝日新聞デジタル

今年4月に日本郵政での事件が報道されたことは記憶に新しい。
企業の自浄能力への期待から、内部通報者に対する恫喝や報復に対し、社会の厳しい目が向けられてる。

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日本郵政、郵便局長7人に懲戒処分 内部通報者を恫喝
(2021年4月3日朝日新聞)
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日本郵便の有力郵便局長が「犯人を捜す」「絶対に潰す」などと内部通報者を恫喝(どうかつ)していた問題で、計7人の郵便局長に停職などの懲戒処分が出たことがわかった。ただ、通報者への報復行為が発覚して1年3カ月が過ぎても、日本郵便が組織としての反省点を見いだすには至っていない。
ー内部通報に「絶対に潰す」 日本郵政、報復にもだんまりー
日本郵便九州支社副主幹統括局長(当時)が、同社で働く息子の問題について内部通報した配下の局長らを詰問したのは一昨年1月。統括局長は同年春に戒告処分となったが、通報者の一部は地元の郵便局長会を除名されたり、圧迫されて休職したりした。統括局長が昨年1月に強要未遂容疑で書類送検され、訴訟にも発展したことで発覚した。
複数の関係者によると、統括局長を含む局長2人が停職、3人が減給、2人が戒告の処分になった。通報者捜しに加担したり、通報者に降職を迫ったりした局長が含まれるという。
ただ、統括局長は日本郵便本社のコンプライアンス担当役員から、通報に関する情報の一部を得ていた。統括局長と付き合いがあった元全国郵便局長会会長の日本郵便専務(当時)も、通報者が伝えないよう求めた通報情報を把握し、自ら通報者に連絡していたという。
日本郵政の増田寛也社長は3月30日の記者会見で、情報共有範囲の明確化や外部弁護士による調査の導入など、通報制度の改善策を実施すると発表した。福岡県の事件については「組織的にただしていく必要がある」と認めたが、具体的な課題や反省点は「解明している最中だ」としていた。
日本郵便広報室は「再発防止に努めるとともに、今般の事案は今後、検証していく」としている。
(藤田知也)