東京2020オリンピックは終わり、パラリンピックが開催中である。選手たちの健闘を祈るに誰も吝かではないだろうが、多くの国民は開催そのものに疑問を抱いてきた。この疑問は、大会が無事に終了しても氷解されるものではない。むしろ、終了後の展開が問われよう。

我々国民は日本の将来のためにも、そしてオリ・パラ大会が今後も続くのであれぱ、将来の開催地や参加選手たちのためにも、誘致から準備、開催に至るまでの経緯を、IOCとの交渉過程やコロナをめぐる対応も含めて検証し、数々の疑惑とともに責任の所在も含めて総括しなけれはならない。

それは無理、出来ないというのなら、出来るように国の休制を改めなければならないと考える。

ー利権拡大のための祖互連携かー

本連載が追っている神社本庁をめぐる疑惑の背景も、オリンピックをめぐる問題と見事なまでに同質である。レコンキスタの本年3月号で、神社本庁のトップと組織委員会の幹部とのつながりに言及したが、これは偶然の一致というよりも、権力思考の幻想に囚われた面々が、利権拡大のために互いに利用価値があると判断したため、結びついたのであろう。

加えて両者に共通するのは組織の私物化であるが、具体的には、能力ある人物を活かすことなど毛頭考えず、強権体制に追従するイエスマンばかり引き立て、組織のため、国民のために真摯に働いてきた人たちを排除してきた。そして、強権発動で無理を押してきた結果、組織を成り立たせていた基本的ルールをもぶち壊し、今日の事態を紹いたのである。

浄明正直の神道の精神にも、フェアプレイのスポーツの道にも、それを最も自ら体現しなければならない人たちが率先して反するという状況が続いてきたのだ。こんな姿を見せつけられて怒らない方がおかしいが、ここで問われるのが組織の自浄能力である・・・