「神社本庁は体制を刷新せよ」(瀬戸神社宮司佐野和史)
(「月刊日本」2022年7月号)
神社本庁の評議員・教学顧問を務める佐野和史宮司(神奈川県・瀬戸神社)が、「月刊日本」のインタビューに答えた。
「…現在のような時代の転換点に際して、『そもそも神社本庁とは何か』『神社本庁の存在意義は何か』という本質的な問題を問い直す。それこそ、いま神社本庁がなすべきことです。ところが、現在の神社本庁はこうした本質的な問題にちっとも取り組まないで権力闘争に明け暮れ、役員の数合わせに狂奔しているのが実態です。嘆かわしい限りです。」
「…現在のような時代の転換点に際して、『そもそも神社本庁とは何か』『神社本庁の存在意義は何か』という本質的な問題を問い直す。それこそ、いま神社本庁がなすべきことです。ところが、現在の神社本庁はこうした本質的な問題にちっとも取り組まないで権力闘争に明け暮れ、役員の数合わせに狂奔しているのが実態です。嘆かわしい限りです。」
「本来、本庁は統理さまのもとで一致団結すべきです。しかし、一部の人間に権力が集中した結果、それができない状況が続いています。神社本庁の代表者は『統理』です。しかし、訴訟問題などで統理に迷惑がかからないよう、世俗の業務を行う『法人』の代表者として『総長』が置かれています。そのため、神社本庁憲章では統理が代表者とされていますが、法人規則である庁規では総長が宗教法人法上の代表者とされています。
ところが、近年は総長が統理に従わず、統理を神社本庁内部の権力闘争に巻き込むような事態になってしまった。私自身は統理さまに從わないほうが『謀叛人』ではないかと感じていますが、相手方は総長に従わず組織を分裂させるほうが『謀叛人』だと感じているようです。
いずれにせよ、神社本庁はは全国8万の神社を統括する、古来の伝統に基づく『宗教組織』としての存在意義を見失つたまま、世俗的な『法人組織』として強権を振るうばかりです。『本当にこのままでいいのか』と叫び出したい思いです。」