自浄.jp

トップページに戻る

『花菖蒲ノ會』会報 第8号
(令和5年1月25日発行)

花菖蒲ノ會 会報第8号_ページ_1
統理を支え神社本庁の正常化を目指す『花菖蒲ノ會』から会報第8号が届いた。
去る1月11日に開催された札幌高裁での審問を傍聴した前田孝和氏(神社問題研究会主宰・元神社新報社取締役)の傍聴記が掲載されている。どうやら「神社新報」に寄稿したが、掲載を拒否されたため、花菖蒲ノ會に寄稿することになったようだ。


花菖蒲ノ會 会報第8号_ページ_2

「…近年の評議員会は、毎回審議時間は長時間を記録しているが、その議論の内容は、神社本庁設立以来最低かつ最悪である。議長団の議事進行も同様であることはいうまでもない。出席評議員の殆どが同様の認識と思う。そのことは、駆け引きの結果であるかもしれない。しかし、何より求められるのは、最高議決機関である評議員会を機能させ、神社本庁自らが、今回の問題を解決し、姿勢を糺すべきではないだろうか。
日本は三審制であるゆえ最高裁まで論争される可能性があるが、神社本庁の本質、すなわち設立主旨、それに基づく精神的規範であり、宗教団体神社本庁の最高規範である神社本庁憲章の理念を、そして神社本庁憲章が定める統理の権限の法的範囲を、裁判所の判断に委ね、それに従うことだけでよいのか。
それは神社本庁の構成員である神社に関わる神社総代、責任役員、神職などが議論して、歴史を顧みて将来の行く末を案じて、神社本庁の最高議決機関である評議員会が判断すべきことではないのか。
評議員会において、『神社本庁庁規』と『神社本庁憲章』の関係を踏まえて、統理の権限や総長選出の問題について真摯に議論し、結論を出すべき問題である。全会一致が望ましく、その努力は惜しむべきではないだろう。
もしも、庁規の優位性を認めれば神社本庁の本質はこれまでの七十有余年の歴史の解釈を根底的に変えることになり、新神社本庁が誕生することになるので、それに伴って根本的な制度改革や新たな神社本庁の存在意義が求められる。
一方、これまでの解釈を継承した神社本庁憲章の優位性を認めるとすれば、庁規優位の論法が出てきた根本原因の追及と二度とこのような問題が生じることがないための制度改革や神社本庁の役職員をはじめ神職の教育改革に邁進しなければならない。
敬意と親しみを込めて、評議員・斯界の構成員は大いに議論してほしい。」