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東京高裁の不当判決-芦原氏側の控訴を棄却
 芦原氏側は上告、審理は最高裁へ!
(東京高裁令和5年6月14日判決)

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代表役員の地位をめぐる裁判で、東京高裁は、令和5年6月14日で、控訴人(芦原氏)の控訴を棄却する判決を下した。
判決は、基本的に、第一審東京地裁判決を踏襲。

全国八万の神社を包括する宗教団体としての神社本庁(代表は神社本庁統理)と、その事務運営機関である宗教法人神社本庁(代表役員は総長)との関係を整理し、統理による総長指名は「宗教団体のトップが、理事らの意見を聴きつつ、統理の命を受けて法人事務を預かる総長を指名選任する行為」であるから、統理による「総長」指名は、『庁規』よりもまず『神社本庁憲章』とその附属規程たる『役員規程』により規律されるべきだ」と主張してきたた控訴人側の主張に対し、東京高裁は、
「仮にそうだとしても、本件訴訟において争われているのは、宗教法人としての控訴人における総長の地位(対外的に代表権を有する代表役員の地位)であり、そうである以上、控訴人の主張によっても、その地位は庁規(現行庁規)の定めによって規律されるというべき」と指摘し、「統理が宗教団体内部において実質的な地位及び権能を有するか否かに関わらない」
と判断を回避し、統理の総長指名にあたっては、法人の責任役員による議決が必要だと判断した。

その結論はともかく、控訴人が主張してきた「神社本庁の本来の在り方」を否定し、全国8万の神社の包括宗教団体である神社本庁の組織を「宗教法人法」に基づく「庁規」という狭い枠内に押し込めて形式的な判断を示した高裁判決に対しては、神社関係者らから「神社本庁の一面しか見ていない肩透かしの判決だ!」「神社本庁という組織を変質させるものだ!」「多数決万能の考え方は斯界にそぐわない!」などと厳しい批判の声が上がっている。

控訴人の芦原氏側は、直ちに、この判決を不服として、既に、最高裁への上告手続を申し立てたという。

なお、神社本庁側が旭川地裁に申立てた地位保全仮処分事件の抗告審(札幌高裁)の判断はまだ示されていないらしい。


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