今や『保守の牙城』は過去の話?
騒動続きの神社本庁はどこへ行く
(ジャーナリスト伊藤博敏)

ジャーナリスト伊藤博敏氏の論考が、季刊誌「宗教問題 51」(令和7年秋号)に掲載されている。
「全国約8万の神社が所属する神道の統括機関、宗教法人神社本庁で、田中恆清総長の長期支配が続いている、同庁の代表役員である総長職は、最長でも2期6年務めて退任というのが通例のところ、田中氏は令和7年5月、81歳で総長選にのぞみ、6選を果たした。神社本庁の歴史の中で、こんなにも長期にわたって総長のイスに座っている人物はほかにいない。
総長の上の宗教的権威である鷹司尚武統理は田中支配を嫌い、前回の総長選で別の理事を指名したが、神社本庁内の田中派は法廷闘争に持ち込んで、勝利を収めた。また、神奈川県鎌倉市の鶴岡八幡宮など、一部の有名神社が神社本庁に抗議する形で脱退をするなどの分断が進んでいるが、田中氏側は意に介さない。そうした混乱を象徴するように、関係団体である神道政治連盟が7月に参院選で推した自民党の有村治子候補(比例代表)は、当選はしたものの前回より獲得票数を約4万減らし、16万6025票という結果だった。
世間では宗教離れが進み、経済的に困窮する神社も多い。今こそ神社界は一致団結すべきときではないかと思うのだが、田中氏とその周辺が権力を手放さず、その結果、神社界としての社会的影響力を低下させているのではないか。その状況を以下レポートしてみたい。・・・」
続きは、季刊誌「宗教問題 51」の紙面をお読みください。
「全国約8万の神社が所属する神道の統括機関、宗教法人神社本庁で、田中恆清総長の長期支配が続いている、同庁の代表役員である総長職は、最長でも2期6年務めて退任というのが通例のところ、田中氏は令和7年5月、81歳で総長選にのぞみ、6選を果たした。神社本庁の歴史の中で、こんなにも長期にわたって総長のイスに座っている人物はほかにいない。
総長の上の宗教的権威である鷹司尚武統理は田中支配を嫌い、前回の総長選で別の理事を指名したが、神社本庁内の田中派は法廷闘争に持ち込んで、勝利を収めた。また、神奈川県鎌倉市の鶴岡八幡宮など、一部の有名神社が神社本庁に抗議する形で脱退をするなどの分断が進んでいるが、田中氏側は意に介さない。そうした混乱を象徴するように、関係団体である神道政治連盟が7月に参院選で推した自民党の有村治子候補(比例代表)は、当選はしたものの前回より獲得票数を約4万減らし、16万6025票という結果だった。
世間では宗教離れが進み、経済的に困窮する神社も多い。今こそ神社界は一致団結すべきときではないかと思うのだが、田中氏とその周辺が権力を手放さず、その結果、神社界としての社会的影響力を低下させているのではないか。その状況を以下レポートしてみたい。・・・」
続きは、季刊誌「宗教問題 51」の紙面をお読みください。