小野庁長による出張旅費二重取り疑惑?
(東京都神社庁『東神』9月号)
東京都神社庁の庁報『東神』9月号が、M元主事の横領事件の経過報告とあわせて、興味深い指摘を行っている。
『小野庁長の出張旅費に関し、神社本庁常務理事としての本庁からの旅費支出について質疑があり、庁長欠席のため、宮崎副庁長と今井理事が説明した。』(6頁下段末尾)
『出張旅費二重取り疑惑』とは?(東京都神社庁『調査報告書』より抜粋)
『旅費二重取り疑惑』とは、一例を挙げれば、次のようなものである。
2019年9月29日に開催された神社本庁の『指導神職研修会』に、小野貴嗣庁長は神社本庁の常務理事として講話、神社本庁代表として閉校式に参列、挨拶及び終了証の授与までしている。それらは全て神社本庁の常務理事としての業務であるから、そのための出張旅費は、当然、神社本庁の旅費規程に基づいて神社本庁から支給される。現に、小野氏は当日交通費を現金で受領し、小野氏が宿泊したホテル代はホテルから神社本庁に直接請求されて支払われていた。
ところが、今回の調査で、この出張に先立つ9月13日、小野庁長はこの出張に東京都神社庁のM元主事を随行させることとし、それを口実に、東京都神社庁からも、現金渡し切りで庁長らに対して計11万3800円の交付がなされていた事実が明らかとなった(しかも出張命令書の保管も確認できないという)。
つまり、小野庁長は、神社本庁常務理事としての出張にあたり、神社本庁から旅費等の支給を受けるにもかかわらず、東京都神社庁からも現金で出張旅費等を二重に受け取り、これを領得していたのではないか、という疑惑が持ち上がっているのである。
このような小野庁長らによる出張旅費の重複受給や不明朗経理の疑惑は、この1件にとどまらない。
このような小野庁長らによる出張旅費の重複受給や不明朗経理の疑惑は、この1件にとどまらない。
『調査報告書』では、2022年6月の京都への旅費交通費、同年7月4日の旭川への旅費交通費、2021年3月の伊勢での大麻頒布終了祭の旅費、2023年1月および2月の神宮及び熱田神宮への旅費交通費などについても、小野庁長による二重取りや不正支出の疑いが指摘されており、いまなお東京都神社庁において厳しい追及が続いている。
小野貴嗣庁長に対する信頼は地に落ちており、先日の協議員会での小野庁長不信任決議を招いたものと思われる。
小野貴嗣庁長は、この点について納得のゆく説明をしないまま、神社庁の会議や公式行事への欠席が続いているという。
『疑惑』の解明が急がれる。
元主事による横領問題はどうなったか?
なお、この『東神』では、元主事による横領問題について以下の報告がなされていた。横領金の使途、動機等について、警察における徹底的な捜査が期待されるところである。
【旧・更生委員会】関連
・神社庁等から横領を行い懲戒解雇となった元主事(都内現任宮司)を神社庁が刑事告訴する件について、8月2日に告訴手続を委任した弁護士が告訴状を赤坂署に提出した。
・昨年6月に受理された被害届では、神社庁から元主事が自身の個人口座に直接横領した1900万円のみを被害額としており、赤坂警察署の捜査対象も同額のみであった。今回の告訴では、元主事(元教誨師)が事務局長を務めていた東京都神職教誨師会の事務局長名義の口座を経由して神社庁から横領した630万円、神社庁から宮司を務める神社への貸し付けに際して根拠なく上乗せした50万円の計680万円が被害額に追加され、総計2580万円を被害額とした。追加の事情聴取等が行われる見込み。
・昨年6月に受理された被害届では、神社庁から元主事が自身の個人口座に直接横領した1900万円のみを被害額としており、赤坂警察署の捜査対象も同額のみであった。今回の告訴では、元主事(元教誨師)が事務局長を務めていた東京都神職教誨師会の事務局長名義の口座を経由して神社庁から横領した630万円、神社庁から宮司を務める神社への貸し付けに際して根拠なく上乗せした50万円の計680万円が被害額に追加され、総計2580万円を被害額とした。追加の事情聴取等が行われる見込み。
・別に東京都神職教誨師会が被害者となる横領があり、同会は600万円を横領額と推定し、元主事より同額の返金を受けている。同会は現時点で被害届提出、刑事告訴ともに行っていない。
首都大学東京では、約44万円の旅費の重複受給を行った教員に対し、停職6月の懲戒処分を科した。東京都神社庁が、小野庁長に如何なる処分を下すかについて、関係者の注目が集まっている。