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原告らに対する懲戒処分は"憲法違反"?
神社本庁は、こんな主張をするために最高裁にわざわざ上告したのか?
(神社本庁の『上告理由書』より抜粋)

上告理由書1
東京地裁・東京高裁で全面敗訴したにもかかわらず、「結論の如何に拘はらず上告する必要がある」と豪語し、多くの評議員らの反対を押し切って”上告”に踏み切った神社本庁田中総長。その上告審で神社本庁が最高裁判所宛てに提出した『上告理由書』の内容が明らかとなった。

これまで「GHQによる押しつけ憲法」と批判してきた日本国憲法にすがりつき、神社本庁の「信教の自由」「結社の自由」を声高に主張して、「原判決が認められれば国民生活の不安定を招く!」だの、「原判決は国家機関による神社本庁への不当な『干渉』『圧迫』だ!」などと叫ぶ姿には、もはや憐みすら覚える。

神社本庁が上告理由書の中で展開するこの見事な”憲法論”をご覧いただき、神社神道と神社本庁のありかたを省みていただきたい。

(神社本庁が最高裁宛てに提出した『上告理由書』より抜粋)
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【2~3頁】
・神社本庁は、信教の自由(憲法20条)及び結社の自由(憲法21条1項)の享有主体である。
・神社本庁における「信教の自由」の内容・内実として宗教活動の自由があり、神社本庁は布教活動・教化育成活動を自由に行うことができなければならない
・神社本庁が宗教団体の構成員のうちの誰に対してどのように宗教活動を行わせるか、具体的には構成員の選択、業務遂行責任者の選定、役職配置や責任分担等につき憲法上の自由が保障されている。
・特に包括宗教団体である神社本庁は、包括化の全国約7万8千の各神社及び約2万1千名の神職による神社神道の強化活動、祭祀の執行及び神職養成につき中心的役割を果たしている。
・よって神社本庁には全国神社の手本となるべき神社神道の信仰者を神社神道の組織構成員とする自由が認められるべきである。
・また、上記活動にとって相応しい者を組織役職者や幹部の立場に置くべき責任を全国神社ひいては全国民に対して負っているものである。
・神職として失格の行為を行った原告らが宗教団体たる神社本庁において適切と判断された懲戒処分を無効とされれば、神社本庁の宗教活動が阻害され信教の自由が労働者の保護の名のもと侵害される
・そのようにして神職として相応しくない者を組織として受け入れるよう国家権力から強制される結果となり神社本庁の宗教的結社の自由は侵害される。

【4頁】
原判決は我が国の国民の伝統的な神社神道の健全な発展を損なうものであり、神社神道の適正な教化活動が困難となるのであるから国民生活の不安定をも招くというべきである。

【5頁】
原判決は宗教団体である神社本庁が享受する憲法上の保障を異常に無視ないし軽視しており、神社本庁の教化活動が労働者の保護のため不可能となっても構わないとの態度を示している。信教の自由及び宗教的結社の自由の保障の内実を無に帰することとなる原判決は国家機関による神社本庁への不当な「干渉」「圧迫」と評価すべきで憲法上許容されないのであるから破棄をされるべきである。

上告理由書2

上告理由書3

上告理由書4

上告理由書5