神社本庁問題決着の年に!
-不祥事が続発し、自民党裏金問題が追い打ちする田中-打田体制-
(月刊「レコンキスタ」令和6年1月1日号)
「神社本庁が抱える様々な課題を、政治的側面から解決するための支援をするという、裏方役に徹すべき神政連が、本来の役割を忘れ、自らの権力構造をもって神社本庁組織に食い込んだことが過ちの元であった。そして、神社本庁が設立以来、歴代の統理以下の役員が心血を注いできた神社本庁本来のあるべき組織構造を破壊して、自らの利権構造に体よく組み入れてしまったのである。
故に時代の変化から取り残され、尚且つ、よって立つ基盤をも打ち捨てた神道政治連盟は、もはや神社界の災厄をもらたすガン細胞以外の何者でもなくなった。問題の解決を、自らの件さんと、それによる理念の浸透に託すのではなく、神社が、その信仰的歴史的背景から託されている大切な役割に関して、神社本庁が有ずる権限をも利権化して、それをネタに政治の権力構造にも食い込み、政治の中枢に影響を及ぼすことで、更に利権を強化しようと考えたことが、最大の過ちであり、巨大な負の遺産となっている。」
「ちょうど一年前に、東京都神社庁の元職員による横領事件が発覚した。当初小野貴嗣神社庁長は、腹心である元職員を軽い処分で済まそうと考えたようであるが、神社庁の調査で新たな横領が判明するなどしたために解雇され、警察に被害届けも出されたという。
しかし、まだまだ不明な点が多く、これから三千万円を超える横領金の使途について、神社庁による本格的な再調査が始まるようだ。そして、これまでの経緯から考えれば、関係者の目は、その使途に、神社本庁の常務理事として田中「なほ在任」総長を支える立場にある小野庁長自身が関与していたか否かに集まることであろう。」
「更に小野庁長を巡る問題は、ほかにもある。不当な懲戒処分に対して神社本庁を相手取り、五年に及ぶ裁判を戦って全面勝訴した神社本庁の稲貴夫、瀬尾芳也両参事が、判決確定後に小野庁長及び宮崎県神社庁の本部雅裕庁長の両氏から名誉を毀損されたとして、両氏に対し損害賠償を神社新報への謝罪広告の掲載を求めていた裁判は、年明けに早々に結審し、春までに判決が出ると思われる。これらの結果いかんによっては、小野庁長は、すべての役職を失う可能性がある。」
「さらに奢れるものは、神政連や小野庁長ばかりではない。昨年夏に伊勢市内で開催された神社スカウトの全国大会で、大会幹部らが皇族の御接待という名目で開いた宴席で、常識はずれの浪費を認め、その支払いをめぐり問題が生じているという話があるのだ。誰が出席していくら支払ったのか、不明な点が多いのだが、事実であることはまちがいない。詳細がわからないのは、宴席には田中一派の影がちらついているため、緘口令が敷かれて関係者は口をつぐんでいるということらしい。」
「しかし、不祥事がこうも続けば、組織のガバナンス強化どころの話ではない。もはや全国神道人の倫理、道徳のあり方そのものが問われていることを自覚して欲しい、今、自民党最大派閥の阿部派に捜査のメスが入っているが、この世の中に隠し通せるものなどないことを知るべきである。天知る、地知る、我知る、汝知る、である。そして道理に合わないことがあるのなら、たとえ権力者であっても、浄明正直の精神で堂々と渡り合うのが、本来の神道人ではないか。
神社本庁が原点に立ち戻るには、今年がラストチャンスという覚悟で臨まれることを期待する。」