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日本を蝕む利権構造を一掃せよ!
ー全国の神社人は自らの使命と責任において、神社界の正常化に取り組むべし!-
(月刊「レコンキスタ」令和6年2月1日号)

レコンキスタR6.2
「三島の生きた戦後経済の高度成長期は、経済の発展が国民共通の願いであったことは間違いない。しかし今は、国民経済は分断が進み、上級国民という言葉が揶揄の意味も込めながら使われている。現実に貧富の差が拡大してきた原因は、戦後体制のもとでのグローバリズムの浸透により、日本社会の隅々にまで、利権構造が張り巡らされてきたことにあるのではないか。
その筆頭が、裏金問題が発覚し、国民から愛想を尽かされつつある自由民主党であり、そして、政治家に媚びを売り、互いの利権構造の教化に血道をあげてきた神社本庁の田中-打田体制である。
それでも、権力闘争がつきものである政治家と、清浄であるべき神道人とを同一に論じることには、いささか抵抗がある。冷静に考えるならば、内部からのより厳しい指弾が求められるのは、神道人の方である。無責任体制に陥っている現状を、草創期に神社本庁の基礎を築かれた先達たちが見たら、どんな感想を述べられるだろうか。通り一遍の言葉ではなく、最大限の表現で一刀両断にすることは間違いない。」

「今、無責任の度合いでは、田中、打田両氏を一気に飛び越えた感があるのが、東京都神社庁の庁長で、神社本庁の常務理事もつとめる小野貴嗣氏である。前号でも触れたように、事の発端は、腹心の部下であった神社庁の職員による三千万円を超える横領事件である。しかし、発覚から一年もたつのに、横領したお金の使途も含めて、事件の詳細は明らかにされていない。恂に不可思議な事件であるが、実は、東京都神社庁の横領事件に前後して、滋賀県神社庁においても、神職による四千五百万円もの横領事件が起きていた。事件の概要は宗教業界紙の中外日報に掲載されたが、横領したのは、大津市鎮座の日吉大社の禰宜で、同社が所属する神社庁大津支部の積立金を着服したのだという。
こちらも立派な犯罪であるが、違ったのは監督責任の取り方であった。
日吉大社の馬渕直樹宮司は、滋賀県神社庁の庁長職にあったので、自身は横領した禰宜の監督責任が問われる立場であると当時に、神社庁のトップとして、支部の会計管理についても適切な指導をなすべき立場にあった。馬渕庁長は事件発覚後、事態の収拾に努め、その目途がついた段階で宮司の職から身を引いたということだ。庁長の職も人気前に辞すると思われ、当然とはいえ、最低限の責任は果たしたといえよう。
これに対し、東京都の小野庁長は、宮司の職は当然、庁長職も辞めるつもりはないようだ。「利権が絡んでいるので辞められません」と公言しているようなもので、神社本庁の田中氏と、神道政治連盟の打田氏という前例が頼りであることは間違いないが、世も末の感がある。自らの使命を自覚する神職は、今こそ声を大にして発言すべきだ。
王様は裸である、指導力はおろか、統治能力のカケラもないと、見るがまま、感じるがままの言葉を正直に浴びせるだけで良い。どんなに強固な利権構造であっても、利権である以上、裏金問題のように蟻の一穴から崩れていくことは間違いないし、既に構造全体もボロボロであることが判明しているのだ。神道人が自らの使命を思い起こす時である。」