外苑再開発問題に完全沈黙する田中-打田体制
-神社界の土台を蝕む利権構造を打破せよ!-
(月刊「レコンキスタ」令和5年12月1日号)
「・・・神社界を蝕む田中-打田体制の利権構造こそ、まさに、皇室を中心とする日本国家の存立理念も、真の独立への気概をも日本人から奪い取って行った戦後体制が生み出した病理そのものである。これをプロデュースした張本人こそ、黒幕と目される神道政治連盟の打田文博会長であろう。それは、盟友の田中恆清を神社本庁の法人トップである総長の座に祭り上げ、神道政治連盟はもちろん、神社本庁の外郭団体役員の人事にも触手を延ばし、それを掌握して行くことで進められていった。
人事を差配するうえで大切なことは、人事権者である体制側との利害関係を見極めることである。そして、利害関係を共にしていることは当然であるが、多少脛に傷があっても、それにより体制側の恩情で徴用されているという意識が人事対象の人物に芽生えるなら、なお完璧である。
もちろん、こんなことが続けば組織は病み、不祥事も続くだろう。しかし、である。不祥事を起こしたとしても、それがさらに体制側により穏便な形で処理してもらえたなら、当事者は尚更、田中-打田体制に忠誠を誓うことになるだろう。腐った組織であればあるほど、たとえ共犯関係だと言われようとも、体制側の連帯感は一層強くなるかもしれない。
そうやら田中-打田体制側は、そうした人材には事欠かなかったようである。しかし、モノには限度がある。神道人の大半は、性善説でお人好しであるが、それ故に田中-打田体制下で、その配下の者たちが起こした不祥事は、最近はその悪質さが目立ってきた。
神社本庁の常務理事である小野貴嗣氏がトップをつとめる東京都神社庁で、小野氏の側近であった幹部職員の起こした横領事件は、発覚から一年近くが経過した今になって、横領金の使途を巡る新たな疑惑が生じたことで、事実関係の再調査を始めるという。
さらに前号で触れた日本文化興隆財団の「鎮守の森」自販機問題は、神社本庁の職舎売却疑惑で悪名高いディンプル社が、いつの間にか中抜き業者として介在していたことで発覚したが、ディンプル社と長い付き合いがあり、財団の理事でもある打田氏がこれに関与していることはまちがいないだろう。・・・・」
「今、問題が表面化した明治神宮の外苑再開発こそ、戦後体制に飲み込まれ、共に単なる利権集団と化した今日の政界や神社界の元で引き起こされた象徴的な出来事であろう。・・・・そして一番不可思議な光景は、包括関係にある神社が境内地の模様替えを行う場合にはその内容を事前に審査する権限を持つ神社本庁が、外苑再開発については完全に沈黙しているように見えることだ。すでに当事者間で、水面下の交渉を済ませているとしか思えない。・・・」