「神道界を誤導し、良識を破壊してきた田中-打田体制
神社本庁は勝機を取り戻し、存立の原点に回帰せよ!」
(月刊「レコンキスタ」令和7年3月1日号)

「今、世界中で分断化現象が起きているが、日本も例外ではない。物事を二極化して敵対するものは攻撃し、少しでも異質な存在は排除して多様性を否定する。筆者は、日本はこうした風潮に毒されては絶対にならないと思うし、中でも神道界は、社会の分断を防ぎ、多様で活力ある文化を生み出す源泉にならなければならないと考える。そのためにはまず、関係者が正気に戻らなければならない。」
「本年1月号で報じた通り、鷹司統理は昨年12月の役員会で田中氏を総長に指名したが、その理由は、分断の長期化が招く混乱を回避し、神道界の現状はもとより、内外の諸情勢を見極めた上で、関係者が虚心坦懐に正常化へ向けた体制作りを考えるきっかけとするためではなかったか。実際に鷹司統理は、統理の支援者が発行している『花菖蒲ノ会会報』(令和6年12月25日・第26号)において、田中氏を総長に指名した真意を、『偏に神社本庁の将来を考へ、宗教団体の代表者として、組織の分裂状況を回避するためのものであることをご理解ください。』と述べている。
しかし、どうやら田中総長側は、田中氏が総長の指名を受けたのは、統理が最高裁の決定に基づき役員会の議決に従ったからであり、統理が総長指名権を行使したわけではない、と至る所で吹聴しているようだ。しかし、この本庁見解なる者に関しては、統理自身が前記した会報において、『今回の確定判決は、統理が総長を指名する権限を否定するものではないとして、指名を拒否してきました。今もその法理は、正しいものと考へてゐます。』と明確に否定している。故に田中氏自身は、分断の回避を願った統理の真意を理解しようとせず、現体制の継続を目指していることは明白と言える。
鷹司統理のもとに正常化を目指す陣営は、ここで本気にならなければ、神社本庁の自壊を食い止めることはできなくなる。いよいよ正念場を迎えたのだ。自壊させた上で再生すればよいと考える人もいるが、物事はそう単純には進まない。神社本庁が現在の分断の結果として自壊すれば、神道界はさらに分裂の道を歩み、本庁設立の理念は忘却されるであろう。それを回復するには、歴史的時間を要することとなる。過去のさまざまな宗教団体や政治団体の興亡の歴史を振り返れば、容易に想像できるのではないか。・・・」