預金600万円引き出した元事務局長 東京都神職教誨師会が刑事告訴見送り 都神社庁では着服で懲戒解雇
(東京新聞令和6年11月9日)
東京都神社庁(小野貴嗣庁長)の運営資金2580万円を着服した元財務担当幹部のM氏(御穂神社(港区)宮司)は、同時期に「東京都神職教誨師会」の預金600万円を引き出していたが、教誨師会は刑事告訴を当面見送ることを決めたそうだ。中川文隆会長(鐵砲洲稲荷神社宮司)は「会員相互の意見から勘案し、現状では告訴はせずに静観する」と文書で回答したようだが、会員の間でそのような話し合いがなされたことはないと聞く。
M氏は、横領事件発覚後も、府中刑務所の受刑者の矯正教育に携わる教誨師会の事務局長も昨年3月まで務めていたが、2020年2月から22年12月にかけて延べ40回、運営資金を自身や同教誨師会の口座に移して着服し、その際、同教誨師会の預金も引き出して着服していた。
東京都神社庁が8月に刑事告訴したのを受け、捜査していた警視庁赤坂署は先月、2580万円の業務上横領容疑で書類送検。M氏は、横領した金を競馬の賭け金やクレジット返済などに充てたと認めており、横領発覚後、M氏の親族が、着服した金の穴埋めを行った。
東京都神社庁関係者によると、教誨師会の口座への資金移動が繰り返された時期は、中川会長が「全国教誨師連盟」理事長を務めた期間が含まれており、M氏は「中川先生が理事長になったから金がかかる」といった口実で何度も振り込み操作をしていたという。
中川会長は、「着服した金銭が連盟理事長の活動に充てられた事実はない」と関与を否定したようであるが、刑事告訴を見送ったことについて、神社関係者からは「教誨師会は職責としても身内の不正の全容を刑事司法手続きで明らかにするのが筋だ」と対応の見直しを求める声が出ているとのこと。
神社本庁「宗教教誨師」とは・・・
(全国教誨師連盟「教誨師連盟だよりNo.56」(平成30年12月1日発行)より抜粋)
M氏は、自分が事務局長として管理していたこちらの銀行口座から、欲しいままに現金を引き出して、着服していた