神社界上層部で実践展開中の「世にも奇妙な物語」
ドラマも顔負けの神社本庁と都神社庁を巡る怪奇現象
(月刊「レコンキスタ」令和6年12月1日号)
「10月24日に開催された神社本庁評議員会については、11月号で簡略に触れた。出席した評議員の大半は、鷹司統理に対して強圧的に自らを総長に指名せよと迫る田中執行部のやり口に、強い憤りを抱いて神社本庁を後にしたようだ。
田中"なほ在任"総長の一派は、代理人である小川尚史弁護士を中心に、鷹司統理の指名を得るための秘策を練っていたようだ。その秘策とは、最高裁で判決が確定し、芦原理事の敗訴が決定した総長選任裁判の結果を利用して、鷹司統理が田中氏を総長に指名しないことがあたかも最高裁の判断に違反する行為であると思えるような仮想空間を議場の中に作り出して評議員の判断を迷わせ、あわよくば統理からの指名を略取しようというものであったと思われる。
しかし、総長選任裁判に勝ったことで何を勘違いしたのか、鷹司統理の決意と信念を甘く見た田中一派は、調子に乗って踏み越えてはならない一線をも欲にまみれた土足で踏み込もうとしたことで、これまで事態を静観していた評議員まで敵に回したようだ。
それもそうだろう。『それでも指名しないなら理由を示せ』と、あまりに非礼な文書を直接統理に送り付けるなど、田中執行部のやり方は露骨で、普段はおとなしい神道人をも怒らせるに十分なものであったからだ。
総長選任裁判の結論は、総長の選任には役員会の議決と統理の指名が必要であるから、統理の指名はあっても役員会の議決のない芦原理事は総長でないということであって、統理は役員会の議決に基づいて指名しなければならないとの解釈は飛躍というより捏造である。
考えてもみるがいい。統理は宗教団体である神社本庁の代表者である。その統理の判断が、統一教会のように刑法に触れるもので限り、そこに司法を含む公的機関が強制的な影響を及ぼすことなど、あるわけが無い。
今回の評議員会で、代理人弁護士に頼りきりの田中体制の矛盾と綻びそして統理に対する非礼極まりない態度が、評議員会の眼前で明らかとなった。それでも田中一派の面々は、自らが多数派を形成する役員会を牙城として、田中体制を死守するつもりであろう。しかし愈々、その牙城の一角も危うくなってきたようだ。本庁の小野貴嗣常務理事がトップを務める東京都神社庁の問題だ。
先月中旬、東京都神社庁管内神職宛に、小野庁長とと神社庁役員会から別々に詫び状が届いた・・・」
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