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福島県神社庁報「今、我々は諍いをしている場合であろうか ~本庁の総長選任をめぐる混乱の問題点~」
(福島県神社庁長 丹治 正博)

福島県神社庁報(令和5年1月号)_ページ_1
先日の岡山県神社庁の庁報に続いて、この度、福島県神社庁からも「『田中なお在任総長』側が自己を正当化する為、神社本庁を私物化しているのでは?」との問題提起がなされた(福島県神社庁報 令和5年1月23日)。
福島県神社庁報(令和5年1月号)_ページ_2

福島県神社庁報(令和5年1月号)_ページ_3

特に、この庁報では、昨年の改選期に於ける東北地区理事(※)の選出をめぐって"異例の事態"が起きたことが語られている。現在、東北地区の地区理事は、前期に不慮の死で退任した藤原隆麿理事(岩手県神社庁長・盛岡八幡宮宮司)の後任として本庁理事に就任した鍵三夫氏(宮城県神社庁長・鹽竈神社宮司)が今期も続投している。鍵氏は持病により役員会も欠席が多いと聞いているが、常に副庁長の村田守広氏(竹駒神社宮司・異例の宗教法人審議会委員)とともに「田中なお在任総長」を支える有力メンバーとなっている。この村田氏については評議員会での田中氏擁護発言が記憶に新しい。

昨年の役員改選では、前期に引き続き、田中氏は2期にわたって、評議員会の理事選考委員会における選考をあえて避けて「地区理事」からの立候補。
前副総長だった田中氏の側近 吉川通泰氏(広島・福山八幡宮宮司)も、本来、島根県が地区理事当番であったが、”たっての願い”により中国地区理事として推薦してもらった経緯がある。しかし、鷹司統理が芦原高穂理事を総長に指名したことに、一部の役員らが異議を唱えたため、新総長が決まらず、副総長の指名ができない事態となった(※)。

なお、「田中なお在任総長」を支える小林一朗評議員(埼玉県神社庁副庁長)、北山秀彦評議員会議長(千葉県神社庁長)、吉川通泰理事(広島県神社庁長)は、神道青年全国協議会(神青協)の会長経験者で、小野貴嗣常務理事(東京都神社庁長)も当時から理事として会長と活動を共にしていた人物である。

※「地区理事」とは、評議員会に設置された選考委員会における選考を経て就任する「全国理事」に対し、各地区からの推薦のみによって理事の候補者となり理事に就任した者をいう。

※ 神社本庁庁規12条3項は「副総長は、総長の意見を聞いて、理事のうちから統理が指名する」と定めているため、総長不在の状態で副総長の指名を行うことができない。