-大炎上中の兵庫県知事とフジテレビをめぐる問題-
本庁問題も再燃必至で、いよいよ真相が明らかとなるか!
(月刊「レコンキスタ」令和7年2月1日号)

「先月末から始まった通常国会において、公益通報者保護法の改正案が審議される予定である。同法制定の意義は、改正をめぐる論点については、元県民局長の内部告発により明らかとなった兵庫県知事をめぐる問題を通して、昨年からメディアを賑わしてきたが、公益通報をめぐる問題については、本欄で度々言及してきたところである。なぜなら神社本庁問題は、神社本庁が所有していた百合丘職舎の売却をめぐる役職員が関与した不正行為についての公益通報が発端であり、東京都神社庁の横領事件も、職員の公益通報によって明るみとなった問題であるからだ。
そして両者ともに問題が深刻さの度合いを増していった理由は、神社本庁も都神社庁も、それぞれの告発を公益通報として適正に扱うどころか、反対に情報漏えいがあったとして、不正行為に加担した側や横領を働いた側ではなく、告発者の「犯人探し」を堂々と行って懲戒処分にし、あるいは厳しく叱責したことによる。
神社本庁ではアリバイづくりの調査委員会を設置して違法行為はなかったとの結論を引出し、告発した職員が懲戒解雇、告発に協力した職員が減給降格の処分を受けた。
また、都神社庁では、内部通報を外部に漏らしたとして、小野庁長自らが職員を厳しく叱責し、その結果、職員は適応障害を起こして出勤が叶わなくなり、退職に至ったという。
権力者側が告発者を厳しく処分、叱責するのは、責任を回避するために告発者の口をふさいで「問題」を無かったことに、あるいは穏便に処理するとともに、他の職員に対する見せしめとして、同調者が出ないようにすることが目的である。そうまでして権力を維持しなければならない理由が、田中、小野両氏には存在すると思われるが、その点については、今後改めて触れていくことにしたい。
・・・・・中略・・・・・
現在、世の中は、大組織のコンプライアンスや不祥事に対する危機管理対応に、注目が集まっている。言うまでもなく、先に触れた兵庫県知事をめぐる一連の問題や、中居正広氏の女性アナウンサーに対する性加害事件についてのフジテレビ側の対応が、コンプライアンスを失った組織の末路を、国民の眼前に日々ありありと映し出しているのだから、注目も集まるというものだ。
翻って、百合丘職舎問題が発覚してからの神社本庁の対応を見ると、兵庫県とフジテレビのトップが犯した不正行為や失態のほとんどを網羅しており、あたかも組織が自滅してゆく過程を演じているかのようである。
勿論、兵庫県やフジテレビと、宗教法人である神社本庁とでは、性格は異なる。しかし、いずれの組織も、内部規範や関連法規、社会倫理に基づいて、適正な運営が求められることは変わらない。三社に共通するのは、トップ自らが内部規範を崩壊させたということだ。」
・・・・・中略・・・・・
・・・神社本庁では、17名の理事中10名いる『地区理事』は各地区からの推薦で自動的に選出されるが、これまで各県の輪番制で三年任期の地区理事が選出されてきた東北地区や中国地区では、令和4年の改選期に何故かその慣例が破られ、田中総長の息のかかった宮城県や広島県の神社庁長が地区理事に再選された。神社本庁の役員会で田中派が過半数を辛うじて維持しているのは、こうしたからくりによるもので、公正な選挙を経てのものではない。
・・・・・中略・・・・・
・・・自殺の背景には、これも当時発覚した神社本庁の小間澤秘書部長と女性秘書課長A氏の不倫疑惑があるのだ。打田会長の子飼いである小間澤氏が疑惑から逃れるための言い訳が、同氏はラブホテルでA氏から、不倫関係にあったという藤原理事との問題で相談を受けていたとの、なんとも苦しいものであったが、これにより小間澤氏の処分は始末書の身となり、今も渉外部長の職にある。そして詳しい事実関係は不明であるが、A氏は藤原氏を刑事告訴していた模様で、それにより藤原氏は自殺に追い込まれたというものだ。
紙数が尽きてしまったが、田中総長は今後も進むも地獄、退くも地獄という状況であることに変わりない。全国の神道人よ、敵が自滅する前に、神社本庁再生の道筋を切り拓け!」
東京神社庁の横領めぐり、内部告発者がパワハラ被害を訴える 小野貴嗣庁長側は「叱責は当然」と反論
(東京新聞 令和7年1月30日)

「宗教法人『東京都神社庁』の元財務担当幹部の業務上横領事件を巡り、不正を内部告発した元職員(37)が小野貴嗣庁長(74)のパワハラなどで精神的苦痛を受けて退職を余儀なくされたとして、同庁と小野庁長に慰謝料など約500万円の損害賠償を求める訴えを東京地裁に起こした。提訴は先月5日付。
◆元職員は激しく叱責され、体調を崩した末に退職
訴状によると、元職員は2022年12月、元幹部の不正を庁長らに報告。隠ぺいされるのを懸念して知人の国会議員秘書らに同庁の通帳のコピーを送付した。
元職員は、庁長から証拠資料の外部提供を激しく叱責され、恐怖で体調を崩し、適応障害と診断されて休職。同庁の調査では自身に責任を転嫁する質問が繰り返され、『精神的な侵害を受けながら勤務は困難』と2023年10月に退職した。議員秘書らに相談したことは公益通報者保護法の趣旨に照らし、正当だと主張する。
◆庁長側『通帳の写しを提供する必要はなく、公益通報ではない』
庁長側は、元職員の指摘で横領事件への対応が進められ、隠ぺいを懸念する状況にはない中で『横領と無関係な多数の入出金履歴が記載された通帳の写しを複数の友人関係者に提供する必要はなく、公益通報には当たらない』と指摘。『叱責は当然で、態様も相当だった』と反論している。
元幹部は同庁の資金2580万円を着服したとして、警視庁赤坂署から昨年10月に業務上横領容疑で書類送検された。」